バックナンバー 第161〜172回

第172回 テスタ オックスフォード

写真 久しぶりに、オックスフォードの新しい物が入ってきました。
メーカーは、イタリーのテスタ社です。
テスタといえば、高級番手からプリントのカジュアルまで、様々なシャツ生地を作っていますが、私の印象としましては、「鉄板」です。
というのも、いろんな色の生地、柄の生地を作っているテスタですが、そのラインナップを見てみると、手堅い色柄が非常に多いのです。
確かに、オレンジのストライプ、といった生地もありましたが、それはオレンジの「細い」、「等間隔の」ストライプであり、色の割に柄が保守的であったり、カジュアル用のブルーのプリント生地ですと、白地に「極淡い」ブルーの、「小さな四角柄の」プリント、だったりします。
個人的には、奇抜さや目新しさは感じないものの、素直で高品質な生地が多いため、とても好きな生地メーカーです。

今回のオックスフォードも、淡いブルー、やや淡いブルー、淡い紫、やや濃いブルー、と、冒険心こそ無い様に思いますが、日々使える1枚になると思います。
風合いは、やや柔らかめのロイヤルオックスフォードとなります。

第171回 ゲッツナー チェック

写真 今回ご紹介しますのは、オーストリアのゲッツナー社製、縁有のギンガム風チェックになります。
なぜ「風」かと言いますと、写真ではちょっと分かりにくいですが、色の縦縞の両サイドに、1本縦に濃い色の縁が付けてあるからです。
通常のギンガムチェックにはないこの線が、一体どのような効果があるかと言いますと、白の部分と色の部分の境界線が濃い色で入ることで、その境をより際立たせています。
結果として、くっきりハッキリとした、鮮明な柄になります。

この生地は、もともとチェックの柄が大きめなので、輪郭を際立たせることで、より迫力のある柄となっております。

第170回 DJA 綿麻

写真 リネンは見た目からも夏らしさを感じさせてくれる素材で、夏のワイシャツの定番の一つではありますが、肌が弱かったりすると、リネンのチクチク感で肌が痒くなったり、単純に硬さが気になってダメだ、という方も少なくありません。
そういう方向けに、コットンのスラブという、麻っぽい見た目の織物もあるのですが、スラブは基本的に見た目以外は涼しくありません。
見ている方は素材感から涼しげに感じられると思いますが、着ている方は通年物の、しかも比較的肉厚な生地のシャツを着ていることになりますので、汗の吸いこそ良いものの、暑くて大変です。
そんな中、麻のルックスを残しつつ、綿の柔らかさがあるのが、綿麻という混紡の生地になるんですが、その綿麻の中でも特にクオリティの高いものが、こちらのアンダーソンの綿麻です。
元々、アンダーソンのリネン自体が、しなやかであるため、刺々しさはなく、麻55%・綿45パーセントという麻が多めの混率であっても滑らかで、それでいて麻特有の触れた時のヒンヤリ感もあります。
麻100%のものに比べると、やはり通気と見た目の面では劣りますが、その分麻100%の生地のような深いシワにはなりにくく、オールシーズンの生地よりは大分涼しさがあります。
元々、そんなにたくさん入ってくる生地ではありませんので、ご興味のある方はお早目のご連絡をお願い致します。
シーズン物の為、あまり長い間は取り置いておけませんが、近々ご来店になる予定がおありであれば、除けておくようにご連絡をいただければ、そのようにしておきます。

第169回 アルモボイル

写真 夏用の生地といえばコレ、と言えるほど、夏生地の代表格であるアルモのボイルですが、一番涼しいこのタイプは、ここ最近あまり新しい柄物が入ってきていません。
スイスフランの暴騰から、しばらく時間が経ちましたが、生地屋さんが被ったダメージは未だに残っていて、以前のスイスフランが安定していた頃に比べると、仕入も慎重になったままです。
そんな中で、新規の柄物として入荷したのが、こちらのチェックになります。 ちょっとカジュアル寄りに見える生地ですが、スーパークールビズ時代のワイシャツとしては、このパステル調の色合いと相まって、ジャケットスタイル用のシャツとして、使い勝手が大変良さそうに思います。
ゴールデンウィークが終われば、夏はすぐに訪れるでしょうから、夏物の御用命はお早めにお願いします。
今年は、暑くなりそうだ、との事なので、ワイシャツを着なければならない方にとっては、いつもより夏生地のシャツがより助けになるはずです。
体調管理の為にも、今年の夏は着るものから対策をしてみるのも良いかもしれませんね。

第168回 レジウノ

写真 春夏の生地の入荷が済み、順次店頭に並んでいっております。
そんな新入荷の生地の中から、今回はレジウノ社のプリント生地をご紹介致します。
ここ数年で、プリントの生地は結構な種類が出てきており、それまでに比べると、見る側も着る側も、抵抗が薄れてきているように思います。
しかしながら、シャツの形に仕立てて着ることを考えると、これだ!という生地は決して多くはありません。
色柄が強すぎれば、ただの派手好きな柄シャツになってしまいますし、逆にあっさりしすぎていると、プリントの意味が薄れてしまいます。
プリント生地の強みは、色数を増やしやすい、繊細なものから大胆なものまで様々な柄が作れる、発色の良さ、などがあります。
生地単体で見て、素敵な柄に見えても、シャツの形にすることを考えなくてはなりません。
数年前に入った大柄はペイズリーは、色も柄も強かったんですが、色数が少なかった為、シャツの形になった際には、寧ろ上品な仕上がりになっていました。
そんな中で、今年はプリントの当たり年といっても過言ではないほど、シャツの形にしたいプリント生地がありました。
そこからまずは第1弾として、こちらの生地を載せておきます。
白地にブルーで車の設計図が描かれています。
細かくいろいろなパーツが載っていますが、面積でいえば圧倒的に白が多いため、意外とあっさりした印象です。
車好きなお客様は元より、車好きな方と会う際に着ていけば、話題になること請け合いです。
車のパーツの間にインクがポタリと垂れたような跡があり、設計者の頑張りを表現しているものと思います。
こういった生地は、生地そのものにストーリーを感じられるのも面白いですね。
次回も引き続きプリントをご案内しようと思います。

第167回 アルビニ 100/1

写真 今回は、ちょっと変わり種の生地をご紹介いたします。
こちらの生地は、100番手の単糸で織られています。
100番手の単糸ということは、200番手の双糸と同じ太さの糸と言う事になります。
極々細い糸で作られている上に、単糸の特性ももっていますので、双糸の200番手よりもサラッとした風合いになっています。
その分、単糸の短所も持っていると思われますので、細番手でしっかり撚られているとはいえ、双糸に比べれば、耐久性、特に耐摩擦に関しては劣っているでしょう。

今回の生地は、スタンダードな色柄なので、大抵のシーンで難なくお使いいただけるものと思われます。
これから少しずつ温かくなっていくでしょうから、サラッとしたシャツなんていかがでしょうか?

単糸の生地は、お洗濯の際に完全に乾燥させてしまうと、パリパリになる可能性がありますので、ご自宅洗いの方は完全乾燥の前にアイロン掛けをしていただくと良いかも知れません。

第166回 アンダーソン

写真 生地が1点しか残っていませんので載せるか迷いましたが、今回は私のイチオシ生地をご紹介いたします。
メーカーは、デイビッド&ジョン・アンダーソンで、糸は200番手の双糸です。
最高品質の生地ではありますが、生地が良いのでオススメしたいという訳ではなく、この生地の柄が、是非一度着て頂きたいと思わせる、オススメの柄なんです。
シンプルな、赤と水色のタッタ―ソールなんですが、200番手という細い糸で織りあげられたチェック柄は、繊細な線を表現することが出来、柄に凸凹感や白に飲まれて滲んだようにはならず、細い「線」としての赤と水色が交差して描かれています。
つまり、生地が良いからシンプルな柄が映えるのではなく、柄を美しく出すには良い生地、細番手が必要だった、という事です。
白場に赤と水色の繊細な格子は、赤が入っている割には上品で、決して派手にはならないと思いますので、シンプルな柄物までしか着ない、という方にもオススメです。

第165回 カンクリーニ

写真 今回は、カンクリーニから良いストライプが出てきましたので、こちらのご紹介を。
水色の、太めのピッチのストライプなんですが、まず色が良いです。
透き通った明るい青で、白とのコントラストを感じる程度には濃く、ネクタイ選びに悩まない程度には明るい、そして非常に目に留まる色合いです。
幅は、およそ4ミリ程で、ブルーと白とワンセットだと、8ミリ弱位です。
カジュアルに見えてしまう程は太くないので、そのままの生地で衿を付けても良いですが、よりネクタイ用に見せるには、クレリックにしてコントラストを強調しても良いかもしれません。
ロイヤルブルーの無地のスーツに、赤いサテンのネクタイ辺りで合わせるのが定番且つ高級感のある合わせだと思います。

第164回 その2

写真 前回の綿ネルと同じ生地の、色違いのシャツです。 こちらは、青ベースに赤の格子となっており、前回の茶の格子が柔らかな見た目なのに対して、スポーティーな感じがすると思います。
赤いジップアップ式のカーディガンをあわせる事で、かなり若々しい印象を与えます。 見た目のスポーティーさを活かす為に、首元にはアスコットタイを採用。 前回の茶の格子でもそうでしたが、寒い季節には、マフラーとまでいかなくとも、首回りがパッカリと開いているのと、衿のボタンを留めたり、アスコットタイを巻いたりで首回りを塞いでいるのとでは、体感温度が3〜4度は違うと言われていますので、オシャレついでに寒さ対策もでき、一石二鳥です。

第164回 ゲッツナー ネル

写真 今年の冬用のカジュアルシャツの御案内になります。 生地は、肉厚で重みのある、ゲッツナーの綿ネルで、白ベースに茶系のやや大柄な格子になります。
厚みがあるので、インナーとして着る場合には、このシャツの上にセーターなどをあわせると、どうしても擦れが発生し、動きにくくなってしまいます。 なので、写真のような前開きタイプのニットをあわせていただくか、ジャケットやブルゾンなどの滑りやすい上着と組み合わせて頂くのが良いかと思います。 アウターとして扱う場合には、薄手のタートルネックのセーターを着て、その上にこのネルシャツを着て頂けば、この厚みは相当に力を発揮してくれるものと思います。
写真のシャツには、同じく綿ネルの生地で作った蝶ネクタイをつけてあり、冬場のカジュアルなオシャレの雰囲気を出してみました。 蝶ネクタイは、初めて使う際には気恥ずかしい感じがすると思いますが、割とすぐに慣れてしまいますし、街中などで蝶ネクタイをしている方を見ると、自然とオシャレな人なんだなぁ、と感じる方も多いと思うんですが、しているだけでオシャレに見られやすい便利なアイテムだと思います。 近いうちに、蝶ネクタイのご案内もしてみようかと思っております。

第163回 カンクリーニ 小ギンガム

写真 以前、トーマスのゴールドラインで大変好評でした小さなギンガムですが、ここのところ入荷がありませんので、その代わりにこちらの生地がこの秋入荷致しました。 ゴールドラインのものよりは、少し柄が大きいんですが、それでも少し離れると無地のように見える程度には緊密なギンガムとなっております。
通常のギンガムだと、柄物感が強すぎる、という方に好評な柄です。 小ギンガムは、特に赤が人気になる傾向にあります。 確かに、普通のギンガムや赤のストライプだと、かなり強い印象になりがちですが、小ギンガムは赤でもアッサリしてみえます。
オススメの形としましては、そのアッサリさを活かす為に、ちょっとコンパクト目な衿のボタンダウンシャツなんていかがでしょうか?

第162回 トーマス・メイソン シルバーライン

写真 またまたトーマスメイソンのチェックです。
今回の秋物は、チェックに良いものが多く、どれを載せるか迷ったんですが、結果としてトーマスが3つ続いてしまいました。
生地としましては、シルバーラインのガッシリ感があり、高番手や軽い生地が好きな方には向いていませんが、涼しくなっていく季節には最適な厚みだと思います。外枠の格子が、かなり大きめなので、生地を広げて見ると、実は相当大柄な生地であることが分かるんですが、大柄な部分が細い線なため、実際の柄サイズ程大柄感はなく、あっさり目のグレンチェック感覚で着て頂けると思います。
チェックシャツ好きには、放っておけない柄ですので、あまり長く在庫してはいられないと思いますので、関心のある方はお早めにご連絡をお願い致します。

第161回 トーマス・メイソン カジュアル

写真 続きまして、トーマスのチェック、カジュアル用です。
どことなく、アメカジ、クラシックを感じる柄ですね。シンプルにボタンダウンシャツにしてもいいですが、フラップ付きポケットを両胸に付けたり、ドット釦を使ってカウボーイシャツのようにしてみるのもオススメです。
単糸を使っているので、肌触りがサラサラとしていて、気持ちいいですが、単糸故に耐久性は、双糸には劣ります。 カジュアルシャツとして考えれば、ビジネス用のシャツよりも使用頻度が少ないだろうと思うので、そこまで気にはならないかもしれませんが。