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谷シャツトランクスの構造解説 A

写真

 今回の構造解説では、この度の復活に際して新しく追加された要素を解説していきたいと思います。

 前回同様、谷シャツ通販サイトにて、トランクスの写真を沢山掲載しておりますので、掲載写真と一緒に文章をご覧いただきますとより一層内容が伝わりやすいかと思いますので、ぜひ併せてご覧ください。

 

トランクスの画像は下記のリンクよりご覧ください。
https://tanishirt.thebase.in/categories/3069175




・前空き構造・ 
 今回の復活に際して仕様変更された部分で、最も大きな点が前空き部分へ剣ボロ状の構造バランスを採用したことです。

 剣ボロとは、シャツの袖口に必ず存在する「剣」の形を連想させるパーツの事です。
 この構造を取り入れることで今までの谷シャツトランクスを、よりシャツ屋らしいトランクスへ進化させるために取り入れた構造になります。

 具体的にどういった事かと言いますと、シャツとトランクスでは人の身体を包む衣類という点では同じなのですが、型紙やパーツ配置のバランスなど、基本的な考え方が異なっており、その構造バランスをシャツと同様のバランスへ変更する目的で剣ボロ構造を取り入れたのです。

 たとえば、衣類には「身頃中心線」と呼ばれる、衣類構造の基点に成る線が存在し、人間の身体の中心線と重なるように配置されます。
 シャツ場合では、この中心線を起点にデザインや寸法を配置し、この中心線上にボタンとボタンホールが重なります。
 こういったシャツの基本構造を新しいトランクスが取り入れることで、私達の持っているシャツ作りで培った考えを注ぎやすく成り、本当の意味でシャツ屋らしいトランクスにすることが出来るのです。


・・左右対象構造・・
 トランクスの構造バランスをシャツの構造バランスと同様のモノへ変更する事で得られるメリットについて書いていきます。

 もっとも大きなメリットは、左右対称なトランクスを作れるようになった点です。

 旧トランクスの構造では、身頃中心線に対して釦の取り付け位置が左へずらした位置にしか配置できず、前回の解説でお話したお腹を支えるフロントパーツや、足さばきを良くする為に入ったフロントタックなども、釦の配置に合わせる形で左寄りのバランスに配置されていました。

 しかし、今回の剣ボロ構造を取り入れることで、身頃の中心であり身体の中心で有る身頃中心線上へボタンを配置することが出来るようになり、フロントパーツとフロントタックも それぞれを身頃の中心線に対して左右対称に配置することが出来るようになったのです。

 このようにパーツやデザインを左右対称に配置できる最大のメリットは、体の動きに追従しやすく、足さばきを向上させることが出来る点です。

 左右のパーツが対象に配置されているという事は、構造も左右対称であり、左右の生地の分量(配分や重量)が左右対称で有るという事になります。
 歩く際に足を、後ろから前、前から後、と動かしますが、左右の生地が均等に配置されていますと、こういった動きで生地に掛かる動きや力も均一に成りやすく、ズボンの中でトランクスの生地が行ったきり帰ってこないといったことが起きにくくなりますので、足さばきが良く、結果として履き心地が向上するのです。

 このような変化は詳しく比べてみて初めて分かる様な僅かな変化ではありますが、こういった部分にも目を向けて改善を図る事が、私達のシャツ造りの考えでもありますので、こういった考えをトランクスへも反映できたことは大変意味の有る事です。


・・前空き構造について・・
 旧トランクスの前空き構造は、以前から気になっていた部分で、トランクスの再開を決めた当初から変更するつもりで考えていました。

 今後の谷シャツトランクスはトランクス専門の人間が縫うのでは無く、シャツを縫っている人間が兼任することに成りますので、シャツと同様の構造バランスで縫えるトランクスは縫っている人気にとっても腑に落ち、考え方の違いを意識しないで縫っていけますので、こういった点でも構造バランスを変更する意味は大きかったのです。

 前空き部分へ今回の構造を採用した物はボトムスの構造としても珍しく、かなりこだわりを持って取り入れた構造ですの、是非お試しいただきたく思います。




・ウエストゴムの見直し・
 旧トランクスにおいて時折指摘された点で、ウエストゴム部分が硬くゴロゴロした肌触りになってしまうというモノが有りました。

 谷シャツトランクスではウエストのゴム部分はシャツ生地でおおわれており、張りが強いシャツ生地の場合はどうしても硬くなってしまいがちでした。
 今回の復活に際してこの部分はかなり試行錯誤を繰り返しテストを重ねた部分です。


 

・・縫い本数を減らす・・
 様々実験を繰り返すうちに分ったウエストゴム部分が硬くなってしまう原因は、ミシンで縫っている回数が原因だという事が分かりました。

 生地を織り上げる糸に比べて、一本の糸の状態で耐久力を必要とされる縫い糸は大変太く、これらが縫い集まると生地の持っている風合いは失われ硬くなってしまいます。
 旧トランクスはウエストゴムを生地で包んで縫い付ける工程で計5回縫ていましたが、今回の新トランクスからはこれを2本まで減らす事にしました。
 縫う本数が減る事で耐久力の低下が気がかりかもしれませんが、この点に関しては問題ありません。
 そもそも構造的に複雑な部分では無く、冷静に考えればウエストゴムを生地で包んでトランクス本体と縫い付けるだけですので、最低限の縫い本数でいいはずです。

 それに、縫い数が多く生地が硬くなってしまうと擦れに弱くなってしまいます。
 これは、シャツの衿やカフスは硬いので擦れに弱く傷みやすいのに対して、身頃は意外と長持ちするのと同様の考え方です。

 今回は今まで縫い止めていた部分をあえて縫わなかったため全体にフンワリした柔らかい仕上がりに出来ました。
 縫い代と呼ばれる内側に入って表からは見えない生地の量を増やしていますので滑脱の心配もありません。

 

・・ウエストゴムについて・・
 新旧トランクスのウエストゴムは2.5センチ幅の太いゴム一本で構成されています。

 実を言いますと、この太いゴムを生地で包みトランクス本体へ取り付ける工程はは非常に難易度の高い作業です。
 両腕でゴムを伸ばしながら、縫い位置に固定して均一な力で縫わなければならないのですが、これが非常に難しい。

 試作当初はあまりの難しさに、高級パジャマなどで多く採用されている、細いゴムを複数本平行に並べて使い一本のウエストゴムとする方法も考えましたが、それではゴムが縮む力が弱くお腹のパーツを引き寄せる力が全く足りませんでした。

 諦めて縫う練習と取り付け方法を工夫するうちに現在の品質に至りました。

 あまり目立たない部分ですが、技術やノウハウがぎっちり詰まった、思い入れの強い部分に成ります。



 

・変更しなかった部分・
 上に書いた部分のように、積極的に変更できた部分も有りますが、最後の最後まで悩んだ結果変更に至らなかった部分も有ります。
 ここではその部分に関して触れていきたいと思います。



・・裾部分の切り込み・・
 左右の裾部分にV字の切り込みが入っているのですが、この部分は変更するか否か迷った部分です。

 単純なV字の切り込みなのですが、それなりに手間が掛かりますし、生地を使う分量が大分増えてしま為です。

 しかし、デザイン的なアイコンとしてとても優秀で、これが有ると無いとでは雰囲気が全く異なります。

 普通のズボンの様な両脇の縫い目が無い谷シャツトランクスのデザインでは、このV字の切り込みがなくなると、脇部分に何も無く殺風景で間の抜けた印象になってしまいます。
 
機能性や構造を突き詰めたトランクスの中で、唯一入った遊びの様な部分と考えていましたが、見た目上欠かせないアイコンと考え直し、変更を取りやめました。


 

・・切り替えの追加・・
 こちらは、左右の脇部分に切り替えを追加してもう少し立体的なトランクスにするかを悩みました。

 「切り替え」とは生地と生地をつなぎ合わせて一つの形を作る事ですが、切り替えを増やすことで立体的な人間の身体を多面で包むことができるので、立体的でより体に沿った衣類を作る事が出来ます。

 V字切り込みの部分でも触れましたが、谷シャツトランクスは脇部分に切り替えが有りません。
 この部分に切り替えを追加することで、よりフィット感の強いトランクスにするかを悩みました。

 しかし、ウエストゴムの時に開設した通り、縫い数が増えれば僅かながら硬さが出て、生地の風合いを楽しむという考えが少しずつ弱まりますし、旧トランクスその物の復活を望む声が一定数有りましたので、あまり大きな変更を加えることを今回は見送りました。

 ですが、全く新しいトランクスとして別モデルを追加する可能性も有りますので、切り替えの追加についてはその時に入れる要素にしようかと考えています。




・最後に・
 二回に渡り、長々と書いてしまいましたが、如何でしたでしょうか?

 実際の所、前後編に分けてまで書きましたが、このページをご覧の皆様にお伝えしたい事の半分くらいしか載せることが出来ませんでした。
 ご覧になって、「ちょっと意味が分からないな」や、「ん?話がとんでいる?」と感じた方もいるかもしれません。
 新しい前空き構造の採用に関しての部分を中心に、もっとお伝え出来ること、お教えしたいことが沢山あるのですが、流石に分量の問題もあり、大幅に減量してあります。
 私の熱意を最も注いだ部分でもありますので、皆様に知っていただきたいという想いはあるのですが、独りよがりになってしまわないようにとストッパーをかけています。


 もしもっと知りたい、興味がある、という方には、是非とも私に直接尋ねてください。


 溢れ出す熱量を以って、疑問にお答え致しますので(笑)

谷シャツトランクスの構造解説 @

写真

 他に類を見ない独特なデザインが特徴的な谷シャツトランクスですが、そういったデザインにどの様な意味が有り、どういった効果が得られるのかを今回は解説していきたいと思います。
 谷シャツ通販サイトにて、トランクスの写真を沢山掲載しておりますので、掲載写真と一緒に文章をご覧いただきますとより一層内容が伝わりやすいかと思いますので、ぜひ併せてご覧ください。

トランクスの画像は下記のリンクよりご覧ください。
https://tanishirt.thebase.in/categories/3069175

 写真をご覧いただければお分かりになるように、トランクスとしても単純にボトムスとしても、とても珍しいデザインを採用しているのが、谷シャツトランクスの第一印象だと思います。
 この特徴的なデザインの源流は、「ネイビーパンツ」と呼ばれていた、アメリカ海軍の兵士たちの間で着用されていたトランクスのデザインを元に作られたものです。
 
 正確な記録は残っていませんが、50年以上前には現在とほぼ同じ姿で既に弊社にて扱っていたことは分かっています。
 おそらく、開国後に横浜へやって来た西洋人がシャツを日本へ持ちこんだ事が日本におけるシャツの始まりになった時と同様に、トランクスの場合は第二次大戦後に進駐軍が日本へ持ち込み、コピーオーダーをしたことなどが始まりではないかと推測しております。
 
 一昔前はどこのシャツ屋でも、トランクスは当たり前に扱われたアイテムの一つでした。
 各店、ベースは同じ「ネイビーパンツ」だったのかもしれませんが、店ごとに独自の創意工夫を施し、数あるシャツトランクス同士鎬を削っていたようです。
 残念ながら現在ではそういった独創性のあるシャツ屋のトランクスもほとんど目にすることは無くなり、一般的な量産ベースのウエストが総ゴム仕様のトランクスが主流となってしまいました。
 
 念願叶って10年ぶりに復活しました谷シャツトランクスですが、その頃の設計思想や基本的な構造デザインは変えぬまま現在に蘇ります。
 もちろん、只々古いデザインと言うだけの価値では無く、トランクスと言う用途と履き心地を追求し、現代のトランクスとは異なる終着点へ到達した貴重な逸品で有ると考えております。
 今回は、谷シャツトランクスの受け継がれ続けるデザインや構造的な特徴をお話していきたいと思います。


【下腹を支え、安心感のある独特な履き心地を作り出すフロントデザイン】
 谷シャツトランクスの一番の特徴は、お腹を支えるような独特な履き心地です。
 この履き心地を生み出す要は、谷シャツトランクス最大のアイコンでもあり、他のトランクスとの一番の違いでもある、フロントデザインになります。
 
 谷シャツトランクスのフロントデザインは、通常のトランクスと異なりフロント部分のウエストゴムベルトが無く、フロント部分のパーツは体にフィットしてお腹界隈を支えるようにデザインされています。
 この前身頃部分のパーツを、後身頃部分のウエストゴムが後方向へ引っ張る事で、お腹を支えるような着心地を生み出しているのです。
 
 つまり、通常のトランクスのウエストゴムと異なり、脱ぎ着のし易さやサイズの自由度を上げるためというよりも、谷シャツトランクスの場合はフロントパーツを引っ張ることが主だった仕事になっています。
 それ故、谷シャツトランクスを脱ぎ着する場合には、ゴムを伸ばして穿くのでは無く、フロント部分の釦を外し、前を開けてからトランクスを履き、釦を止めるという、いかにもシャツ屋のトランクスらしいシャツを連想させる前部分を開閉して脱ぎ着する機構を取り入れているのです。

 谷シャツトランクスは50年前の段階で既にウエスト後方部分へ現在と同じ様にゴムベルトが使われておりましたが、後身頃へベルト状の帯や紐が取り付けられており、それを使って固定するようなタイプも存在したようです。 
 

【足さばきを考えたフロントタック】
 通常のトランクスと異なり、フロントにゴムベルトを持っていない谷シャツトランクスの前身頃は、通常のトランクスよりもユトリが少ない構造になっています。
 そこで加えられたのが、フロントの左右一本ずつのタックです。
 
 分量としては僅かに感じられるかもしれませんが、左右太ももの中心をめがけて展開していますので、非常に効果的に配置されています。
 肝心のお腹周りのフィット感を損なわない為、お腹を支えるパーツの下側から展開している点もポイントです。


【ヒップを包み込むように設計された後身頃】
 後身頃部分はヒップを左右と下側から包み込むように工夫した設計になっています。
 これを実現しているのが、後身頃の二本の切り替え線を中心とした後身頃のデザインです。

 衣類において生地を切り替える構造を取り入れる目的は、衣類に立体感を与える事が目的になっています。
 このトランクスの後身頃部分は「ヒップの後部分」「ヒップの左右後側面部から側面部」「ヒップの底に向かって」の4面に対して立体的な支えかたをするよう設計されています。
 先ず、二本の切り替えに挟まれた、後中心部分は尾てい骨などが有るヒップの一番後ろ側を支え、二本の切り替えに対して左右に展開する生地は、ヒップの後左右側面からヒップの側面に至るまでの広い範囲をカバーします。
 そして、このトランクスの特徴的な構造の一つであるのが、脚の付け根を前に動かした際に、ヒップの底付近から前に向かう脚のに向かってホールドする様に生地が展開されている点です。
 
 つまり、通常のトランクスやボトムスの様に脚を通す左右の穴部分が、下に向かって空いているのではなく、体の前方へ向かうように設計されているのです。

 この構造がどういった姿勢に向いているかと言いますと、ズバリ、座り姿勢です。
 
 椅子に座ったり、腰を下ろしたりした際に生地がヒップを包み込むように設計されているのです。
 
 こういった設計思想が当時のどのようなニーズから生まれたのかは、今となっては分からないのですが、私達はかねてからこの履き心地は、パソコンに向かって座って仕事をすることの多い現代人にこそ最適な履き心地であると考えていました。
 
 座った際に生地がヒップを十分に包み込むばかりではなく、座った時に生地に掛かる負荷を二本の切り替え線が柱の様にしっかりバランス良く支えてくれるため安心感をもたらします。
 また、この二本の切り替えは、立ち姿勢から着座姿勢、着座姿勢から立ち姿勢、こういった動きが起きた際には、トランクスの後身頃部分のユトリを展開収納しやすくするガイドラインの様な役目をかねています。
 これらの効果を効率的に行えるよう、後身頃の切り替えは、丈夫で強い力に耐えられる、シャツの脇部分と同じ縫い方である「織伏せ縫い」を採用し、更に通常より巾を太く縫い合わせてあります。
 
 オフィスワークやリモートワーク、御家でゆったりした時間を過ごす際など、何かと座り姿勢で過ごす時間が多いと思いますので、谷シャツトランクスを是非ご体感いただけましたらと考えております。




如何でしたでしょうか?
話し出したらばキリが有りませんが、これらが主だった谷シャツトランクスに受け継がれ続ける特徴になります。

古典的なものであるにも関わらず、実は現代的な技術論で紐解いた際に『理に適った』ものである、という面白さが伝わりましたでしょうか?

ただ、全てがすべて、更新する余地がないかと言われれば、そんなことはありませんでした。

次の回では、今回の復活に際して新規に取り入れた機構や改良点について書いていきたいと思います。
 
それでは、引き続き「谷シャツトランクスの構造解説2」も是非ご覧ください。

シャツ屋のトランクス

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『オーダーシャツ屋』
世間一般でこの名称から思い浮かべられるのは、当然ですがシャツのオーダーです。
次いで多いのが、スーツを作っているお店でしょ?となります。
シャツとスーツは切っても切れない間柄ですので、仕方のないことではありますが。
ですが、オーダーワイシャツに馴染みの有る方や、扱っている素材などに気を向けられている方にとっては、シャツ屋の取り扱い品目に『ある物』が含まれていると考える方も少なくないのではないでしょうか。

トランクス、そしてパジャマです。

日本に限らず、高級オーダーシャツに使われる生地はその時代時代の最高峰であることは言うまでもありません。
シルクしかり、超長繊維綿しかり。
確たる縫製技能とハイエンド地の両方を備えるオーダーワイシャツ屋が、シャツ同様に素肌に纏う衣類を作成するようになるというのは想像に難くありません。
斯くして、私ども谷シャツ商会もトランクスやパジャマの取り扱いを長年に亘って行っておりました。
しかしながら、腕の良い職人の高齢化による生産力の減少を主因として、トランクスやパジャマまでをも生産することが年々難しくなり、ここ数年は取り扱いが出来ない状態となっておりました。
常々「パジャマはまだ復活しないの?」や、「もう以前買ったトランクスの手持ちがなくなってきちゃったから何とかしてくれよ」といったお声はいただいておりましたが、なかなかそちらにまで手を回すことが出来ずにおりました。
パジャマに関しましては、オーダーでナイトシャツ形式のものは何とかお請け出来ていましたものの、トランクスに関しては完全に生産停止状態となっておりました。


現在のコロナ下の状況で、ワイシャツの生産に空きが出来ているのならば、何とかトランクスも復活させられないものだろうかと考え、行動を開始しました。
元々特徴的であった『谷のトランクス』ですが、それをそのまま復活させるのではなく、細かなディテールの見直しを図り、より良いトランクスを。
時に感覚的に、時に理論的に、谷シャツ製のリファインされたトランクスを、今再び皆様にご覧いただきたく存じます。


詳しくトランクスの解説をした文章もございますので、以前のトランクスをご存知の方にはより良くなった点を、初めての方にはそのデザイン、特性、機能的・技術的根拠などを知っていただき、ご愛用いただければ幸いです。


谷シャツトランクスは下記オンラインショップでも取り扱っております、是非ご覧ください
https://tanishirt.thebase.in/

創業90周年ご挨拶


創業90周年御礼挨拶
 
謹啓 

立秋とは名ばかりの暑い日が続いておりますが皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素はまた格別のお引き立てを賜り、誠にありがたく厚く御礼申し上げます。


今から遡る事こと90年、1930年の9月5日に、故 谷 喜三郎が港町横浜に小さな店をもったところから、谷シャツ商会の歩みは始まりました。


『顧客第一』


既に谷 喜三郎が亡くなってから25年が経ちますが、この谷の最も大切にした理念は今でも弊社の中に息づいております。

90年もの長きに亘り代を重ねてこれたのは、偏にこの理念の元に商売を行いお客様方に愛していただけたからに他なりません。



現在、未だかつて体験したことのない状況におかれてはおりますが、先達が第二次大戦を、バブルの崩壊を、リーマンショックを、震災を乗り越えてきたのと同じ様に、このコロナ禍をも何とか乗り越えてみせると決意しております。

コロナウイルスの影響を世界中が強く受けている中、私共は営業時間の短縮や日曜日の休業をしながらも営業を続けておりました。

多くの店舗が休業をしている中での営業ですので、当然平時に比べればご来店下さるお客様の数は少なくなりました。

それでも店頭にて出来上がりの品をお渡しするお客様が、そしてお電話等で注文を下さるお客様がいる以上、店は閉められないと判断致しました故の決断でした。


私のこの決断に、従業員一同よく従ってくれ、原則としていつでも営業をしている谷シャツ商会の体制を維持することが出来ました。

ポリシーの一つでもある可能な限りの無休営業、従業員の雇用の維持、職人の生活の保護、そしてなによりこの体制がお客様のためになるものと信じての営業継続でした。

実際、自粛期間中にも近隣にお住まいの方やホテルにお泊りのお客様のご来店はあり、出来上がりの品のお渡しだけでなく、新たにシャツの注文を下さる方もいらっしゃいました。

周りの店舗が全て休業中で廊下も暗い中、「こんな時だからこそ頑張れよ」と声をかけてくださる方も少なくありませんでした。
直接店頭にいらっしゃらなくとも、わざわざ電話にて声をかけてきてくれた方もいらっしゃいました。


緊急事態宣言の発令に伴い、それでも従業員一同一丸となって営業を続けておりましたが、ご存知の通りに苦戦を強いられておりました。

思うように売り上げを作ることが出来ないながらも精一杯の努力をしていた結果、公的な助成金を受けられるほどの売り上げ減にはギリギリ至らず。

緊急事態宣言下の5月のある日、従業員の言った「助成金が貰えなくなるなら、こんなに頑張らない方が良かったんですかね……」という言葉が、私の胸に深く刺さりました。


そんな訳がない!


今は苦しい状況だったとしても、かならずこの頑張りがお客様方だけではなく、我々の未来のためになる!
ここで頑張ったことが、これから先で財産となるから、もう一踏ん張りしようじゃないか、と。

この度の苦難を乗り越えた暁には、谷 喜三郎も良くやった、と
きっと声をかけてくれるものと思います。

そして、100周年のご案内をする10年後には、今回の苦境が、あの頑張りが、皆様の応援が、そして顧客第一という信念が、谷シャツ100年の歴史の礎である、と改めてお伝えできるものと信じております。


このような状況だからこそ、谷 喜三郎の掲げた理念の大切さが身に沁みます。

顧客第一主義だったからこそ、今日までの90年を生き抜くことが出来ました。

皆様も気にかけることが沢山ある中で、それでも私共を気にしてくださる。

お客様とともにあったからこそ、これほどの長きに亘り在り続けることが出来ましたし、共にあり続けることでこれから先の100周年、そしてその先まで皆様のための谷シャツとしてより一層の精進を続けて参ります。


苦境で迎える90周年の節目の年ではございますが、皆様に今一度お力をお借りしたく思います。


応援するに値する店であり続ける努力を怠らず、今までもこれからもご支援下さるお客様への感謝を忘れず、創業者のスピリットと共に社員一同ベストを尽くして参りますので、これからも何卒宜しくお願い申し上げます。       
                               謹白


 
2020年9月吉日
株式会社 谷シャツ商会 代表取締役社長
 伊藤 照泰


 

第六回 クリーニング

写真 久しぶりの更新になってしまいましたが、今回は前回の最後に振れた、メンテナンスについて書いていきます。
ワイシャツの日々のメンテナンスと言えば、やはりクリーニングになります。
自宅で洗濯する場合でも、クリーニング店へ出す場合でも、思い通りにいかず苦労されている方は多く、ご相談を受ける事も少なくはありません。
今回は先ず、クリーニング店を利用されている方から、相談を頂いた際に必ずお話しする、クリーニング店を使う場合に最低限押さえておきたい点を、ご紹介しようと思います。

クリーニングでの仕上がり方には個人的な好みもあると思いますが、今回は多くの方に実行していただけるであろう方法の中から、風合いの劣化や生地のダメージが最も少なくて済む出し方をご紹介します。




・クリーニング店選び
ご自身の細かな要望を聞いてくれる、職人さんが個人でやっているお店や、高級品の扱いに慣れた、高級クリーニング店を使って頂く事をまずはオススメしています。
しかし、上であげたようなお店は店舗数も少なく、ご自宅の近くで運よく見つけられた方を除いては、自宅の近くにあるチェーン店を使う方が多くなると思います。
チェーン店が悪いわけではありませんが、規模が大き故に、扱う方の細かい目が届きにくい事もあるので、利用する側も只々洗濯に出すのではなく、うまくお店を理解して利用していく必要が、高級店や職人さんのお店以上に有ると思います。


・クリーニング店に必ず伝えて頂きたいこと
特にチェーン店を利用する場合は、受付の方に自分が持ち込んだシャツが「高級なワイシャツである」ということを伝えて、シッカリ認識してもらうことが大切です。
自分から伝えることに少し抵抗を感じるかもしれませんが大切な点です。
お店によっては高級品とそれ以外で扱い方を変えている事もありますし、見合った洗濯コースや仕様をクリーニング店側からオススメしてくれる場合もありますので、しっかり押さえておきたい点です。
ご自分のシャツが綿以外の素材を使って作られている場合も、一言伝えておくといいでしょう、受付の方は素材表示を基本的に確認はしますが、要らぬトラブルを避ける事にもつながりますのでお勧めです。

高級クリーニング店や職人さんのお店は、ワイシャツを預けるだけで、素材や品質を判断してくれる目を持っているお店が多いですが、念のため上記のような内容を伝えておくと更に良いでしょう。


・洗濯コース選び
上でも「見合ったコース」などと触れましたが、自分にとって、シャツにとって、どの洗濯コースが一番合っているかを選ぶ必要があります。
チェーン店でも高級店でもコース選びは有ります。この時大切な点は、コースごとの作業工程がどのように違うのかを確認しておくことです。
自分にとってはさほど重要では無い工程が含まれているのに、余分にお金を払う必要もありませんし、逆に少しお金を惜しんだ結果、必要な工程を飛ばされていたのでは満足のいく仕上がりにはなりません。
適切なコース選びに迷った場合は、受付の方に自分の希望を伝えて、一番それに合ったコースを選んでもらうと良いでしょう。
もしも納得いくコースを選びきれない場合は、是非弊社へご相談ください!


・クリーニング店で必ず指定してもらいたい注文
どのお店でも、どのコースでも、洗濯によるダメージと風合いの劣化を避けるため、必ず指定して頂きたい注文が2つあります。

1つ目は「縮みに対する注意」です。
洗濯の終わった、シャツをプレスする工程での注意点になります。
高級番手シャツ生地の多くは綿を使っていおり、綿を使ったシャツは繊維の特性上、洗濯後は必ず縮んでしまいます。
そのため縮んだ生地を元の状態まで良く伸ばしてから、仕上げプレスをする必要があります。
昔のように、手でアイロン掛けをしてくれる所は最早少なく、現在は「大型のプレス機で形を成形する」と言った印象の工程になってしまっていますので、よく伸ばしてからプレス機に掛けないと、縮んだ状態で形を作られてしまいます。
ただ引っ張るだけですが、この作業をやるのとやらないのとでは結果は大きく変わっていきます。
特に衿とカフスの縮みに悩まされたことのある方は、是非注文してみてください。

2つ目は「糊なし仕上げ」です
シャツに糊を掛けるか否かは、かなり好みの分かれるところですが「生地の風合いを保つ」という今回の前提か
ら考えると、糊は「無し」もしくは「薄のり」にして仕上げることをお勧めします。
糊を掛けるとパリッとした張りが出来て、本来の風合いは当然のように無くなってしまいます。
この時の糊が強いと次回の洗濯を終えても糊が落ち切らなくなってしまい、クリーニングに出すたびに
糊の落ち切っていないシャツの上に更に糊を掛けられてしまい、どんどんパサパサの肌触りのシャツになってしまいます。
パサパサになってしまったシャツは繊維が非常に弱っており、少し何処かに引っかけただけで破けてしまう事があります。



以上のように最低限押さえて頂きたい点を挙げてみましたが、クリーニング屋さんによっては出来る指示とできない指示も有りますし、コースが少ないお店も有ると思いますが、「縮みに対する注意」や「糊なし仕上げ」などは、それでも大抵のクリーニング店で指示が可能だと思われます。
今回上げた事を意識して利用してもらうことで、少なからず結果は変わってくるはずです。
もしも判断に困ったり、分からないことが有ったらば、すぐにクリーニング店や弊社に御相談ください。

第五回 ワイシャツの修理

写真 前回までは生地の紹介を致しましたが、今回からは予告の通りお直しについてのお話をしていきたいと思います!

お気に入りのシャツを着始めてからしばらく経つとどうしても衿やカフスなどが傷んできてしまい、もったいないと思いつつも捨てるしかない…
という経験をされている方が、これを読んでくださっている方の中にもいらっしゃることでしょう。

既製品のシャツにしても、自分の身体に合わせたオーダーのシャツにしても、やはりお気に入りのシャツは長い間愛用していきたいものですよね!
ですがシャツのパーツの中で言いますと、衿というのは首を動かせば襟足の髪ですとか髭などにあたり摩擦で繊維が傷みます。
当然首と密着してることが多い分、皮脂汚れなんかも洗濯したりクリーニングに出していたとしても、少しずつ蓄積されて目立ってくるようになります。
カフスなどは、日常で沢山動かすことがあるであろう手首やデスクと密着しがちな部分なので汚れはもちろん、そこに腕時計をすれば硬い金属によって余計に擦れやすく生地の傷みがでやすくなるところなのです。

さて、ここまで衿とカフスのお話をしてきましたが、肝心のボディーの部分はというと…
実はそんなに傷んでるわけでもないことが多く、だからこそまだ着れるのになんだかもったいないと感じるのだと思います。
衿やカフスがボロボロになっているシャツを着ている方を時折お見掛けしますが、ボディーが同様には傷んでいないせいで、「まだ着れる」と判断してしまうのではないかと思います。
そう言うとなんとなくお気づきになる方もいるかもしれませんが… シャツそのものの寿命というのは、実は衿やカフスで決まるのではなくボディーがダメになるまでは着られるものなのです。

それでは、その傷みやすい衿とカフスはどうすればいいのかと言うと、弊社の『取り替え修理』システムを活用いただければ、再びシャツを甦らせることが可能です!
この取替えを利用して長い間着ているお客様にどの位の期間1枚のシャツを着用していただいてるのかお伺いしたところ、長い方で20年以上は着られているというお話をいただきました。
もちろん使用頻度により個人差はあるかと思いますが、およそ10年くらいは大体の方が取替えを利用することで着続けて頂けるのではないかと思います。

せっかくのオーダーで作った自分の身体に合い、しかも良い生地のシャツを上記であげたぐらいの長い年月を高次元で保てるのであれば尚更魅力的ですよね!
当然新しく作る衿やカフスが取りつけられる訳ですから、「ちょっとワイドスプレッドを試してみようかな?」とか「ダブルカフスにしてみたいなぁ」などというデザイン変更も出来ます。

なぜ第1回目から4回目まで定番の生地を取り上げてきたのかと言いますと、実はこのお直しを前提として考えた際、定番として同じ生地が作られ続けているという事は、また同じ生地での修理が可能になります。
定番以外の生地ですと同じ生地というものが手に入らなくなってしまう事の方が多いので、取り替えようとすると白い生地で衿とカフスを直すクレリックスタイルになってしまうことが殆どとなります。
ネクタイ用のシャツはともかく、カジュアルシャツやボタンダウンなど、白い衿との相性があまりよくないものもありますので…
そういったシャツに関しては、遊び用だからということで割り切って処分をしまうか、予め修理用の生地をお求めいただくことでの対応がよろしいかと思います。

今回は長くなってしまいましたが、衿とカフス以外にも直せる箇所はあるのかと聞かれましたらもう少しございます。
ですが、それはシャツの状態や直しの内容により様々なことがありますので、もしお直し箇所に関して疑問が生じた場合は、気軽にシャツをお持ちになってご相談に足を運んでもらえたらと思います!
最後に、今回はお直しが必要になる要因として傷みや汚れのお話をしましたが、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、同じくらい問題になるのが衿やカフスの縮みにより着られなくなるケースです。
これにはクリーニングが大きく影響してきますので、それはメンテナンスの内容を含めた回にまたお話していきたいと思います。


帝国ホテル店 石田

第四回 1回〜3回までのまとめ

写真 いつもご覧頂きましてありがとうございます!
第一回から第三回目まで、国産の定番の中から、
(数年〜数十年に亘って供給され続けている生地)
初めてシャツを作ってみようという方にオススメする生地を3種類紹介致しました。

複数の定番の生地からお選び頂く事には、以下のようなメリットがあります。

・同じGIZAコットンの生地でも、織り方による
   見え方や肌触りの違いをを知っていただける
・多種の中から選ぶという、オーダーならではの
   楽しさを体験していただける
・『定番の生地』なので、余程のことがない限りは
   常に店頭に現物があり、直接見たり触ったりして
   いただきやすい

などなど

更にもう一つ、これらの生地のメリット、それはシャツのお直しをする際に活かされてきます。

せっかくオーダーで良いシャツを作ったのに、衿やカフスがほつれてきた程度ですぐ捨ててしまうというのはもったいないですよね?
そこで先にも説明したように、定番の生地ならばいつでも同じ生地があるということで、衿やカフスを交換する『お直し』が出来ます。
このお直しを活用して少しでも長く愛用していただければと思います。


この『お直し』につきましては、詳しく説明させていただきたいところではありますが、長くなり過ぎてしまいますので次回もう少し掘り下げて紹介致します!

お楽しみに!


帝国ホテル店 石田

第三回 初めてシャツを作る方へお勧めの生地 ツイル

写真 今回は、第二回の終わりでお伝えしましたツイルの紹介になります!

『ツイル』とは、ブロードやオックスが経糸と緯糸を一定の間隔で交互に織る織り方をしていたのに対して、経糸を複数本飛ばして緯糸を1つ交差させていき、次の列でその交差させる点を上の列より一つずつずらしていく様な織り方をしております。
生地の表面を見ると斜めの畝が入っているのが、ツイルという織りの特徴の一つとなります。

この様な織り方により、ブロードと比較すると交差する糸の回数が少なく、浮き糸が多くなり表面に出る糸の面積も多くなります。
この糸そのものの見える面積が多くなることから、最高品質のGIZAコットンを用いて作られた弊社で扱っているツイルは、そのGIZAコットンの光沢を存分に生かした生地になるのです。
また、織りによって出来た畝に光を当てると、平坦な織りであるブロードにはない立体的な陰影が生まれ、更に光沢が引き立ちます。


このツイルを初めての方へのオススメの一つに取り上げた理由としましては、高級オーダーメイドシャツとして分かりやすい物だからです。
今回取り上げているツイルはGIZAコットン使用の140番手糸で、斜めの畝がかなり細かく、一見するとツイルの特徴的な斜めの織りは見えにくいです。ですが、そこには間違いなく凹凸があり、生地の動きや光の加減によってシャツの表情を様々に変えてくれます。

綺麗でどこか上品さを感じさせる光沢は、他の人からも一目見ただけで高級感のあるシャツに見せてくれ、140番手という細い糸で作られたこの生地は、 世間一般で流通している生地とはひと味もふた味も違う肌触りを着用者に体感させてくれるはず!

初めてオーダーで作るシャツ!として、採寸によるフィット感だけではなく、生地を見ただけ、袖を通しただけでも違いが分かるシャツにしたい、という方に是非お試しいただきたい一着です。


帝国ホテル店 石田

第二回 初めてシャツを作る方へお勧めの生地 オックスフォード

写真 初めてオーダーシャツを作ろうという方に、私達がオススメする生地の2つ目として、国産生地のオックスフォードについて紹介をさせて頂きます!

第一回目で紹介しました白無地の生地は、ブロードと呼ばれ経糸と緯糸を1本ずつ交互に交差させていく織り方になります。
それに対してオックスフォードは、斜子織という経糸と緯糸を複数本ずつ引き揃えて織る織り方になります。

一般的にオックスフォードという生地は、ブロードの生地と比較すると生地の目の見え方が粗く
どちらかと言えばカジュアルの生地として用いられることが多いです。

ですがオックスフォードの中にも種類があり、
弊社で取り扱っているオックスは、100番手以上の細い糸を使ったロイヤルオックスフォードと呼ばれる高品質版です。


私も生地の勉強を始めるまでは、オックスというと硬めのしっかりした生地だという印象がありましたが、
このロイヤルオックスはそのイメージとは全く違い、光沢もあり肌触りも柔らかくしなやかな生地なので、ビジネスにもカジュアルにもどちらとも相性が良いです!

様々なシーンに使いまわせるシャツにはうってつけの素材ですので、初めてシャツを作られる方にはオススメの生地の一つになります!

次回は、オススメ生地の3つ目である、ツイルのご紹介をさせて頂きます!


帝国ホテル店 石田

第一回 初めてシャツを作る方へお勧めの生地 ブロード

写真 今回はブログ形式でのリニューアル更新第一回目ということで、初めてシャツを作る方に3つのオススメ生地の1つ目である定番の国産生地の白無地をご紹介しようと思います!

弊社で取り扱っている国産の白無地は、世界三大高級綿の一つであるエジプト綿(GIZAコットン)を使用しています。

通常、綿の糸に使われる繊維は、平均繊維長が21o以下の短繊維、28o以上の長繊維と呼ばれる物が多く、この繊維が長ければ長い程、収穫量も少なく、貴重であり高級と言われております。

そんな中でも『GIZA』は、平均繊維長が35o以上のとても長い希少な品種(超長綿)となっております。
希少ではありますが、1本1本の繊維が長いことにより得られるメリットは非常に多く、代表的なものとしては糸を細く紡げたり、繊維端が少なくなることで毛羽立ちを抑えられる事などが挙げられます。


店頭にはそれぞれ写真の上から100番手・120番手・140番手・160番手・180番手があり、番手の数字が高くなればなるほど1本1本の糸が細くなり、触り心地もより柔らかなものになっていきます。

写真で並べては見たものの…見るだけではどれがどれだか違いが分からないですよね。

触り比べていただけば一目瞭然なので、実際どのくらい違うのか気になる方は店頭まで足を運んでいただき、触ってその違いを是非体験してみていただきたいです!

皆様のご来店をお待ちしております!


帝国ホテル店 石田