Blog

第六回 クリーニング

写真 久しぶりの更新になってしまいましたが、今回は前回の最後に振れた、メンテナンスについて書いていきます。
ワイシャツの日々のメンテナンスと言えば、やはりクリーニングになります。
自宅で洗濯する場合でも、クリーニング店へ出す場合でも、思い通りにいかず苦労されている方は多く、ご相談を受ける事も少なくはありません。
今回は先ず、クリーニング店を利用されている方から、相談を頂いた際に必ずお話しする、クリーニング店を使う場合に最低限押さえておきたい点を、ご紹介しようと思います。

クリーニングでの仕上がり方には個人的な好みもあると思いますが、今回は多くの方に実行していただけるであろう方法の中から、風合いの劣化や生地のダメージが最も少なくて済む出し方をご紹介します。




・クリーニング店選び
ご自身の細かな要望を聞いてくれる、職人さんが個人でやっているお店や、高級品の扱いに慣れた、高級クリーニング店を使って頂く事をまずはオススメしています。
しかし、上であげたようなお店は店舗数も少なく、ご自宅の近くで運よく見つけられた方を除いては、自宅の近くにあるチェーン店を使う方が多くなると思います。
チェーン店が悪いわけではありませんが、規模が大き故に、扱う方の細かい目が届きにくい事もあるので、利用する側も只々洗濯に出すのではなく、うまくお店を理解して利用していく必要が、高級店や職人さんのお店以上に有ると思います。


・クリーニング店に必ず伝えて頂きたいこと
特にチェーン店を利用する場合は、受付の方に自分が持ち込んだシャツが「高級なワイシャツである」ということを伝えて、シッカリ認識してもらうことが大切です。
自分から伝えることに少し抵抗を感じるかもしれませんが大切な点です。
お店によっては高級品とそれ以外で扱い方を変えている事もありますし、見合った洗濯コースや仕様をクリーニング店側からオススメしてくれる場合もありますので、しっかり押さえておきたい点です。
ご自分のシャツが綿以外の素材を使って作られている場合も、一言伝えておくといいでしょう、受付の方は素材表示を基本的に確認はしますが、要らぬトラブルを避ける事にもつながりますのでお勧めです。

高級クリーニング店や職人さんのお店は、ワイシャツを預けるだけで、素材や品質を判断してくれる目を持っているお店が多いですが、念のため上記のような内容を伝えておくと更に良いでしょう。


・洗濯コース選び
上でも「見合ったコース」などと触れましたが、自分にとって、シャツにとって、どの洗濯コースが一番合っているかを選ぶ必要があります。
チェーン店でも高級店でもコース選びは有ります。この時大切な点は、コースごとの作業工程がどのように違うのかを確認しておくことです。
自分にとってはさほど重要では無い工程が含まれているのに、余分にお金を払う必要もありませんし、逆に少しお金を惜しんだ結果、必要な工程を飛ばされていたのでは満足のいく仕上がりにはなりません。
適切なコース選びに迷った場合は、受付の方に自分の希望を伝えて、一番それに合ったコースを選んでもらうと良いでしょう。
もしも納得いくコースを選びきれない場合は、是非弊社へご相談ください!


・クリーニング店で必ず指定してもらいたい注文
どのお店でも、どのコースでも、洗濯によるダメージと風合いの劣化を避けるため、必ず指定して頂きたい注文が2つあります。

1つ目は「縮みに対する注意」です。
洗濯の終わった、シャツをプレスする工程での注意点になります。
高級番手シャツ生地の多くは綿を使っていおり、綿を使ったシャツは繊維の特性上、洗濯後は必ず縮んでしまいます。
そのため縮んだ生地を元の状態まで良く伸ばしてから、仕上げプレスをする必要があります。
昔のように、手でアイロン掛けをしてくれる所は最早少なく、現在は「大型のプレス機で形を成形する」と言った印象の工程になってしまっていますので、よく伸ばしてからプレス機に掛けないと、縮んだ状態で形を作られてしまいます。
ただ引っ張るだけですが、この作業をやるのとやらないのとでは結果は大きく変わっていきます。
特に衿とカフスの縮みに悩まされたことのある方は、是非注文してみてください。

2つ目は「糊なし仕上げ」です
シャツに糊を掛けるか否かは、かなり好みの分かれるところですが「生地の風合いを保つ」という今回の前提か
ら考えると、糊は「無し」もしくは「薄のり」にして仕上げることをお勧めします。
糊を掛けるとパリッとした張りが出来て、本来の風合いは当然のように無くなってしまいます。
この時の糊が強いと次回の洗濯を終えても糊が落ち切らなくなってしまい、クリーニングに出すたびに
糊の落ち切っていないシャツの上に更に糊を掛けられてしまい、どんどんパサパサの肌触りのシャツになってしまいます。
パサパサになってしまったシャツは繊維が非常に弱っており、少し何処かに引っかけただけで破けてしまう事があります。



以上のように最低限押さえて頂きたい点を挙げてみましたが、クリーニング屋さんによっては出来る指示とできない指示も有りますし、コースが少ないお店も有ると思いますが、「縮みに対する注意」や「糊なし仕上げ」などは、それでも大抵のクリーニング店で指示が可能だと思われます。
今回上げた事を意識して利用してもらうことで、少なからず結果は変わってくるはずです。
もしも判断に困ったり、分からないことが有ったらば、すぐにクリーニング店や弊社に御相談ください。

第五回 ワイシャツの修理

写真 前回までは生地の紹介を致しましたが、今回からは予告の通りお直しについてのお話をしていきたいと思います!

お気に入りのシャツを着始めてからしばらく経つとどうしても衿やカフスなどが傷んできてしまい、もったいないと思いつつも捨てるしかない…
という経験をされている方が、これを読んでくださっている方の中にもいらっしゃることでしょう。

既製品のシャツにしても、自分の身体に合わせたオーダーのシャツにしても、やはりお気に入りのシャツは長い間愛用していきたいものですよね!
ですがシャツのパーツの中で言いますと、衿というのは首を動かせば襟足の髪ですとか髭などにあたり摩擦で繊維が傷みます。
当然首と密着してることが多い分、皮脂汚れなんかも洗濯したりクリーニングに出していたとしても、少しずつ蓄積されて目立ってくるようになります。
カフスなどは、日常で沢山動かすことがあるであろう手首やデスクと密着しがちな部分なので汚れはもちろん、そこに腕時計をすれば硬い金属によって余計に擦れやすく生地の傷みがでやすくなるところなのです。

さて、ここまで衿とカフスのお話をしてきましたが、肝心のボディーの部分はというと…
実はそんなに傷んでるわけでもないことが多く、だからこそまだ着れるのになんだかもったいないと感じるのだと思います。
衿やカフスがボロボロになっているシャツを着ている方を時折お見掛けしますが、ボディーが同様には傷んでいないせいで、「まだ着れる」と判断してしまうのではないかと思います。
そう言うとなんとなくお気づきになる方もいるかもしれませんが… シャツそのものの寿命というのは、実は衿やカフスで決まるのではなくボディーがダメになるまでは着られるものなのです。

それでは、その傷みやすい衿とカフスはどうすればいいのかと言うと、弊社の『取り替え修理』システムを活用いただければ、再びシャツを甦らせることが可能です!
この取替えを利用して長い間着ているお客様にどの位の期間1枚のシャツを着用していただいてるのかお伺いしたところ、長い方で20年以上は着られているというお話をいただきました。
もちろん使用頻度により個人差はあるかと思いますが、およそ10年くらいは大体の方が取替えを利用することで着続けて頂けるのではないかと思います。

せっかくのオーダーで作った自分の身体に合い、しかも良い生地のシャツを上記であげたぐらいの長い年月を高次元で保てるのであれば尚更魅力的ですよね!
当然新しく作る衿やカフスが取りつけられる訳ですから、「ちょっとワイドスプレッドを試してみようかな?」とか「ダブルカフスにしてみたいなぁ」などというデザイン変更も出来ます。

なぜ第1回目から4回目まで定番の生地を取り上げてきたのかと言いますと、実はこのお直しを前提として考えた際、定番として同じ生地が作られ続けているという事は、また同じ生地での修理が可能になります。
定番以外の生地ですと同じ生地というものが手に入らなくなってしまう事の方が多いので、取り替えようとすると白い生地で衿とカフスを直すクレリックスタイルになってしまうことが殆どとなります。
ネクタイ用のシャツはともかく、カジュアルシャツやボタンダウンなど、白い衿との相性があまりよくないものもありますので…
そういったシャツに関しては、遊び用だからということで割り切って処分をしまうか、予め修理用の生地をお求めいただくことでの対応がよろしいかと思います。

今回は長くなってしまいましたが、衿とカフス以外にも直せる箇所はあるのかと聞かれましたらもう少しございます。
ですが、それはシャツの状態や直しの内容により様々なことがありますので、もしお直し箇所に関して疑問が生じた場合は、気軽にシャツをお持ちになってご相談に足を運んでもらえたらと思います!
最後に、今回はお直しが必要になる要因として傷みや汚れのお話をしましたが、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、同じくらい問題になるのが衿やカフスの縮みにより着られなくなるケースです。
これにはクリーニングが大きく影響してきますので、それはメンテナンスの内容を含めた回にまたお話していきたいと思います。


帝国ホテル店 石田

第四回 1回〜3回までのまとめ

写真 いつもご覧頂きましてありがとうございます!
第一回から第三回目まで、国産の定番の中から、
(数年〜数十年に亘って供給され続けている生地)
初めてシャツを作ってみようという方にオススメする生地を3種類紹介致しました。

複数の定番の生地からお選び頂く事には、以下のようなメリットがあります。

・同じGIZAコットンの生地でも、織り方による
   見え方や肌触りの違いをを知っていただける
・多種の中から選ぶという、オーダーならではの
   楽しさを体験していただける
・『定番の生地』なので、余程のことがない限りは
   常に店頭に現物があり、直接見たり触ったりして
   いただきやすい

などなど

更にもう一つ、これらの生地のメリット、それはシャツのお直しをする際に活かされてきます。

せっかくオーダーで良いシャツを作ったのに、衿やカフスがほつれてきた程度ですぐ捨ててしまうというのはもったいないですよね?
そこで先にも説明したように、定番の生地ならばいつでも同じ生地があるということで、衿やカフスを交換する『お直し』が出来ます。
このお直しを活用して少しでも長く愛用していただければと思います。


この『お直し』につきましては、詳しく説明させていただきたいところではありますが、長くなり過ぎてしまいますので次回もう少し掘り下げて紹介致します!

お楽しみに!


帝国ホテル店 石田

第三回 初めてシャツを作る方へお勧めの生地 ツイル

写真 今回は、第二回の終わりでお伝えしましたツイルの紹介になります!

『ツイル』とは、ブロードやオックスが経糸と緯糸を一定の間隔で交互に織る織り方をしていたのに対して、経糸を複数本飛ばして緯糸を1つ交差させていき、次の列でその交差させる点を上の列より一つずつずらしていく様な織り方をしております。
生地の表面を見ると斜めの畝が入っているのが、ツイルという織りの特徴の一つとなります。

この様な織り方により、ブロードと比較すると交差する糸の回数が少なく、浮き糸が多くなり表面に出る糸の面積も多くなります。
この糸そのものの見える面積が多くなることから、最高品質のGIZAコットンを用いて作られた弊社で扱っているツイルは、そのGIZAコットンの光沢を存分に生かした生地になるのです。
また、織りによって出来た畝に光を当てると、平坦な織りであるブロードにはない立体的な陰影が生まれ、更に光沢が引き立ちます。


このツイルを初めての方へのオススメの一つに取り上げた理由としましては、高級オーダーメイドシャツとして分かりやすい物だからです。
今回取り上げているツイルはGIZAコットン使用の140番手糸で、斜めの畝がかなり細かく、一見するとツイルの特徴的な斜めの織りは見えにくいです。ですが、そこには間違いなく凹凸があり、生地の動きや光の加減によってシャツの表情を様々に変えてくれます。

綺麗でどこか上品さを感じさせる光沢は、他の人からも一目見ただけで高級感のあるシャツに見せてくれ、140番手という細い糸で作られたこの生地は、 世間一般で流通している生地とはひと味もふた味も違う肌触りを着用者に体感させてくれるはず!

初めてオーダーで作るシャツ!として、採寸によるフィット感だけではなく、生地を見ただけ、袖を通しただけでも違いが分かるシャツにしたい、という方に是非お試しいただきたい一着です。


帝国ホテル店 石田

第二回 初めてシャツを作る方へお勧めの生地 オックスフォード

写真 初めてオーダーシャツを作ろうという方に、私達がオススメする生地の2つ目として、国産生地のオックスフォードについて紹介をさせて頂きます!

第一回目で紹介しました白無地の生地は、ブロードと呼ばれ経糸と緯糸を1本ずつ交互に交差させていく織り方になります。
それに対してオックスフォードは、斜子織という経糸と緯糸を複数本ずつ引き揃えて織る織り方になります。

一般的にオックスフォードという生地は、ブロードの生地と比較すると生地の目の見え方が粗く
どちらかと言えばカジュアルの生地として用いられることが多いです。

ですがオックスフォードの中にも種類があり、
弊社で取り扱っているオックスは、100番手以上の細い糸を使ったロイヤルオックスフォードと呼ばれる高品質版です。


私も生地の勉強を始めるまでは、オックスというと硬めのしっかりした生地だという印象がありましたが、
このロイヤルオックスはそのイメージとは全く違い、光沢もあり肌触りも柔らかくしなやかな生地なので、ビジネスにもカジュアルにもどちらとも相性が良いです!

様々なシーンに使いまわせるシャツにはうってつけの素材ですので、初めてシャツを作られる方にはオススメの生地の一つになります!

次回は、オススメ生地の3つ目である、ツイルのご紹介をさせて頂きます!


帝国ホテル店 石田

第一回 初めてシャツを作る方へお勧めの生地 ブロード

写真 今回はブログ形式でのリニューアル更新第一回目ということで、初めてシャツを作る方に3つのオススメ生地の1つ目である定番の国産生地の白無地をご紹介しようと思います!

弊社で取り扱っている国産の白無地は、世界三大高級綿の一つであるエジプト綿(GIZAコットン)を使用しています。

通常、綿の糸に使われる繊維は、平均繊維長が21o以下の短繊維、28o以上の長繊維と呼ばれる物が多く、この繊維が長ければ長い程、収穫量も少なく、貴重であり高級と言われております。

そんな中でも『GIZA』は、平均繊維長が35o以上のとても長い希少な品種(超長綿)となっております。
希少ではありますが、1本1本の繊維が長いことにより得られるメリットは非常に多く、代表的なものとしては糸を細く紡げたり、繊維端が少なくなることで毛羽立ちを抑えられる事などが挙げられます。


店頭にはそれぞれ写真の上から100番手・120番手・140番手・160番手・180番手があり、番手の数字が高くなればなるほど1本1本の糸が細くなり、触り心地もより柔らかなものになっていきます。

写真で並べては見たものの…見るだけではどれがどれだか違いが分からないですよね。

触り比べていただけば一目瞭然なので、実際どのくらい違うのか気になる方は店頭まで足を運んでいただき、触ってその違いを是非体験してみていただきたいです!

皆様のご来店をお待ちしております!


帝国ホテル店 石田